個人レッスンでコートを製作。オーダーメイドならではの楽しさがいっぱい。

塾の歩み

大人のおしゃれ塾、田中です。

夏から始まった洋裁の個人レッスン、今月はコートの製作に取り組んでいます。

デザインは、茅木マチコ著『ドレスアップ・ドレスダウン』(文化出版局)の中から選んでいただきました。

こちらの軽やかなロングコートです。

テキストでは一重仕立て(裏なし)ですが、Tさんが持参された布地は、ROBERTA(ロベルタ)のウール100%の極上生地でしたので、裏を付けて仕立てることにしました。

今回は切り躾(きりじつけ)の仕方も覚えていただきました。

布地の上に白い点々が見えていると思いますが、それは切り躾。布地を傷めない標(しるし)付けの方法で、しつけ糸で行います。慣れればなかなか楽しい作業ですよ。

写真は仮縫い(着てみて丈や幅、袖ぐりなどを確認する作業)の準備をしているところです。

仮縫いのシーンは写真を撮っていませんが、着丈も袖丈も目いっぱい長くとることにしました。オーダーメイドならではのプロセスですね。

次はいよいよ「ボタンホール」のリハーサルです。ボタンホールにもいろいろ種類がありますが「玉縁」ボタンホールに挑戦していただくことにしました。

「玉縁ボタンホール」というのは布で始末したボタン穴のことです。

まずは白いコットン生地で練習し、次に実際のウールの端布で試してみます。コットン生地より弾性があるので一気に難易度が高まりました。

完成したのがこちらです。玉縁の上側の右が少し細くなりましたが、最初にしては素晴らしい出来ばえではないでしょうか。

ミシン掛けも小さい部分なので細心の注意が必要です。

せっかくの極上生地ですから、ボタンホールが家庭用ジグザグミシンだと「残念な仕上がり」になってしまいます。それがこの玉縁(正確には両玉縁)ボタンホールだと、一気にオーダーメイド感が漂ってきますからたまりません。

もちろんボタンも、布地にふさわしい高級感のある水牛を選びました。

年が明けて次はいよいよ「袖付け」です。

いせ込みが効いた美しいセットインスリーブに仕上がるよう頑張らなくてはいけません。

「いせ込みが効いた美しいセットインスリーブ」とは、袖山がふっくらと、まろやかな「ふくらみ」をもった状態をいいます。決してギャザーが入ってはいけません。

気合が入り過ぎたのか(笑)うっかりこの過程の写真を撮り忘れてしまいました。

完成したのがこちら↓ポケットも玉縁仕上げです。

背面の飾りベルトの位置にもこだわりました。

ちゃんと裏地も付いているのですよ。

初心者にはハードルの高い作業ばかりでしたが、よく頑張られましたね。

流行に左右されないオーソドックスなデザインなので、末長く着用できるのではないかと思います。

お疲れ様でした!

この経験を活かして、これからも服作りの幅を広げていってくださいね。