『ジゼル』の合併号に“9月号神話”の崩壊を思う。

雑誌

こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。

定期購読しているファッション雑誌『ジゼル』が8月末に届きました。

10/11月合併号です。

本来なら8月は9月号が出るはずですが、『ジゼル』はこの春から2か月ごとの合併号になっているため、9月号がありません。

1年で最も冊子が分厚かった9月号

少なくとも10年くらい前は、9月号といえば1年で最も冊子が分厚くなっていました。

ファッションブランドがこぞって秋冬物の広告を出すからです。

米ヴォーグ誌の編集長アナ・ウィンターを追ったドキュメンタリー映画「September Issue」でも、アナ・ウィンターらが、いかに心血を注いで9月号に向き合っているかが分かります。

今はもう日本版のヴォーグ(VOGUE JAPAN)もエル(ELLE)も9月号はもとより、どの月も冊子が薄いです。

百貨店と同じで、購入者が少なければ雑誌も廃れます。広告も減ります。

この1~2年、ラグジュアリーブランドの価格はさらに高騰していますが、富裕層にとっては100万が150万になっても、殊更(ことさら)どうこういうことではないのでしょう。

庶民にはファストファッションがありますし、次シーズンのトレンドはファストファッションが適度に取り入れて商品化してくれます。

今、店頭にある服を買えば「それなりの今」が味わえるというわけですね。

アパレル業界の人やハイブランド系ユーチューバーは、仕事柄それなりのイキったというか「らしさ」が求められるので、ある意味イキらざるを得ない面があります。

もともと服が好きな人たちですから、仕事のためという大義名分はありますし、沼にハマりやすいのかもしれません。

まぁ、人それぞれということでしょう。

いつも通りのモザイク的誌面構成『ジゼル』10/11月号

『ジゼル』の方は、前回の8/9月号がいつもと違うポップな雰囲気の表紙で、お勧めの映画やテレビ記事もあったりで面白かったのですが、今回の10/11月号はもとに戻ったという感じです。

この夏買って良かった『ジゼル』8/9月号とH&Mのセール商品。
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もとには戻りましたが表紙の写真は「赤」が映えて素敵ですね~。

Whatever you want? の文字が白抜きで印象的です。

Whatever you want?「明日着られる新しさ」と訳していますが、戸田奈津子さんばりの邦訳ですね(笑)

直訳すれば「あなたが欲しいものは一体何?」くらいでしょうか。疑問符がついてなければ「あなたが欲しがるものは何でも」。

まだまだ暑いけれど秋に向けて着る「明日着られる新しさ」がテーマになっています。

表紙をめくって驚いたのが黒い服が多いこと!!

確かに2023年秋冬のトレンドとして、黒を中心としたモノトーンは上位にあがっていますが、私としてはグレーへの注目度の方が高いように感じていました。

他にも2023年秋冬のトレンドは、レッド(赤)とか、ふわふわ&モコモコ素材、3Dフラワー、リボン、宝石装飾、レザー、チェック柄、ドレープ、ペプラムなどいろいろありますが、『ジゼル』は黒を推してきたのですね。

いつも通りの項目が多い誌面構成で、様々な黒の着こなしがモザイクのように散りばめてあります。

コレクション画像の出所が不明瞭なのは許されるのか?

ふむふむ、といつものようにチマチマ読み進めていたのですが、36ページからのコレクションで分析「モノトーンの今」、ではたと目が止まりました。

使用されている画像の出所が明らかにされていないものが結構あるのです。

例えば「トッズのパリッとした白ブラウスと黒いパンツ。」のようにブランド名が文中に書き込まれている場合もあるのですが(←それならOK)まったく画像と説明文だけのものもあるのですね。

画像がどこのランウェイ(ファッションショー)のものなのか、わからない状態です。

かと思えば画像にサン・ローランとかフェンディとかブランド名が写真に添えてあるものもあります。それが当たり前だと思うのですが。

出所が明らかにされていない画像は1.5㎝×5.5㎝くらいの小さなものですが、小さいからといって扱いが雑になってはいけません。

主婦の友社という立派な出版社の発行物ですから、素人の私が心配するような問題はないのかもしれませんが、画像の引用(著作権問題)は本当に神経を使います。