手術から1年。「寛解(かんかい)」という言葉を知りました。

手術

こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。

今日で手術から1年が経ちます。

この日はちょうど通院日だったのですが、帰宅途中、急に七転八倒するほどの痛みが胸に起こり、病院に戻りました。(その病院では2か月ほど前、胸部のCT検査をしてもらっていました)

さっそく心電図を撮ったのですが「問題ない」とのこと。先生は「様子を見ましょう」くらいの反応です。

私は納得がいかず「先生、問題ないことはないです」と訴えました。すると「CTでも撮ってみましょうか」ということになり、撮った結果「田中さん、よく戻ってきてくれました。大動脈、解離してます!」

「解離してます」って先生。。。「解離」って裂けることです。

それが16時くらいのことだったでしょうか。直ちに救急車を呼んで、安佐市民病院に搬送されました。

手術は夜の9時から6時間かかりました。

上行大動脈解離は危険度の高い手術ですが、執刀医をはじめ、麻酔や人工心肺、輸血の先生方が頑張ってくださいました。

2日目に意識が戻った時には、胸には30㎝くらいの縫い目、お腹からはドレーンという管が3本、ペースメーカーの穴が2個、腕には点滴、胸にはホルター心電図、膀胱からは導尿管とまるでサイボーグでした。

手術直後は点滴で体重が7㎏も増えていました。それを利尿剤で落としていきます。

そんなこんなの入院生活でしたが、今こうして自宅でブログを書けるまでになりました。

けれど残念ながら「完治」したという状況にはなっていません。

痛みは様々なかたちで身体に現れてきます。良い日もあれば悪い日もあり、気持ちが明るくなる日もあれば落ち込む日もあります。

ずっと「元気になりたい」「回復したい」の一心でこの1年間、頑張ってきましたが、「完治」をめざすと心が辛くなるようです。

そんな時に「寛解(かんかい)」という言葉を知りました。

「完治」は病気が完全に治った状態をさしますが、「寛解」は病気の症状が一時的、または継続的に軽くなった状態、あるいは見かけ上、消えた状態をいいます。

この言葉を知ってから心が楽になったというか、気持ちの持ちようが違ってきました。

「寛解」は癌やリウマチ、うつ病などで苦しんでおられる方々にはよく知られた言葉だと思うのですが、私のように自分の健康を過信していた者には初めて出会う言葉でした。

けれど、この言葉を知ってからいろいろ調べていると、歯周病も完治しない病気なのだそうですね。歯周病菌は20代までに定着し、免疫力が落ちてきた40代を過ぎてから症状が現われてくるそうです。

歯周病は完治させることができない病気ですので、歯科医での治療の目的も「寛解」を目指し、その後は口腔内の環境を悪化させないようにメンテナンスを続けることになります。

上の文章は、歯科医師の宮本日出先生が書かれた「それ間違いケアかも!歯周病を防ぐ歯磨きの方法Q&Aより」からの引用ですが、「世の中の多くの人が歯周病菌からは逃れられない、メンテナンスあるのみ」というのが目からウロコでした。

これって「老化」と通じるものがあるのではないでしょうか。

「老化」は誰もが逃れられない宿命です。

だからといって悲観してばかりもいられません。与えられた命を大事に、日々身体のメンテナンスに励み、人生を楽しんでいく姿勢が大事なのではと。

手術から1年、雨の日もあれば晴れの日もある、そんなふうにこの言葉を知ってから、心に余裕が持てるようになった気がします。