おしゃれに関する助言が意味を持たなくなる年代。

おしゃれ

いやー、私はここ数年、高齢の方と公民館でご一緒する機会が多いのですが、みなさん我が道を行っていらっしゃる(笑)

前回のブログにも書いたのですが、それは決して皮肉ではなく、多分に“共感”できる意味合いが強いのです。

高齢の方にとっては、今さら人から「あーだこーだ」言われたくないし、自分には自分のやり方があるし、そもそも着ているものが「どうのこうの」より、今の自分のカラダ具合や暑さ寒さの方がよほど心配、といった状況のように思えます。

いつからそうなるのか、境界は定かではありませんが、65歳くらいが分岐点ではないでしょうか。私が大人のおしゃれ塾をやっていた頃、生徒さんのほとんどが40代~50代でした。60代の方もいらっしゃいましたが、それも60歳になったばかりで、みなさん、おしゃれへの興味関心が強く、何より自分をより美しく素敵にできるものならそのメソッドを知りたいという熱意に溢れていました。

その年代の方であれば、まだ社会の第一線にあり、特に昨今ではパーソナルカラーや骨格診断も盛んになり、私はどのタイプなのだろうという興味が湧いてくるのも無理ないことだと思います。

それが65歳になって現役を退き、70歳、75歳、80歳と年代が進むにつれて「我が道」はより強固になり、その人の“人となり”が形成されていきます。

身なりに構わない人もそれはそれでその人らしく、いつも派手な格好をされている方もそれはそれでその人らしく、みんなファッションというか“装い”におい独自の路線を歩んでおられる。

それはおおよそ今のトレンドとは乖離しているからこそ起こりうる境地ではないでしょうか。流行、トレンドとは他者が作った価値基準です。そこから離れたら自由気儘な世界が待っています。

今日は広島駅ミナモアのUNIQLOに行ったのですが、そこで水色のロングコートを着た黒髪のご婦人に突然声をかけられました。私がハンガーラックにかかっている赤いパーカーを鏡の前で胸に当てて見ていた時です。

婦人「よー似合っとってじゃわ、髪が白いけえねぇ」(←広島弁)
※婦人、私の返事を待たずに
「何歳?」
私「えっ、私ですか?〇〇歳です」
※と正直に答えるも私の返事は完全にスルー、そして
婦人「私、何歳に見える?」
※と、目がキラキラ。キター、この質問!
私「さぁー」
※どう答えようかと悩む私
婦人「88よ!」
※得意げな婦人を前に
私「ええっ、そうなんですか、お元気ですねぇ」
※と驚いて見せる。実際88歳には見えんかったが(←広島弁)80代だとは確実に思った。「お若いですねぇ」と言うべきだったかもしれない。
婦人「漢方飲みよるけえよ。48番」
私「そうなんですかぁ、 それって何に効くんですか?」
婦人「元気になるんよ、活力が湧くんよ」
私「ほぉー」
※ちなみに48番とはツムラの十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)のようです。家に帰って調べました笑。ついでに最初の「似合っとってじゃわ」は広島弁では「におーとってじゃわ」と読みます。

その後は、夫人がウルトラライトダウンのLサイズをお探しだったので、私も一緒に探して差し上げました。小柄な方なので上段のラックには手が届かないのです。Mでも十分ではないかと思えたのでお尋ねしたら「Lがええんよ、今まで着よったのもLじゃけぇ」とのこと。この迷いのなさ!

本当に髪は真っ黒に染めて、マスクをしておられましたがメイクもバッチリ、コートに合わせて水色のパールの入りアイシャドウをしっかり目蓋に乗せておられました。押しの強いご婦人でしたが何だかとても元気をいただきました。圧倒されました、かな(笑)

でもいいですね。我が道を行くのは。