肩の凝るテーラードジャケットをノーカラーにリメイク。

ハンドメイド

いやー、これは性分なのでしょうか。

着心地が悪いとすぐに手直ししたくなります。

試着して購入したものでもこれが起こるのですから「何のための試着やねん」と言われそうです。それを苦に思わないところもまたいやらしい。まぁ、そういうタチということでご勘弁を。

いちばん多いのはパンツのすそ上げ。長くしたり短くしたりはほぼ標準作業。お店でやってもらわないせいもありますが。

あとはウエストのサイズ直し。ゴムの長さ調整で済むものは“楽勝”ですが、ゴムベルト本体がステッチで叩き付けてあるものは面倒です。以前は全部ほどいてゴム通し仕様に作り変えていましたが、先日は簡便な新手法を発見しました。いつかまたご紹介させてくださいね。

次に多いのがデザイン変更。今回もテーラードジャケットをノーカラーにしてみました。

じつはこのジャケット、2016年に購入したものですが、写真は細部がよく見えるように露出を変えて明るくしていますが、実際は漆黒のコットン生地です。

クリストフルメールがUNIQLOのアーティスティックディレクターになる前年に発売されたもので、2009年のジルサンダーとのコラボには波及度は及びませんでしたが大変話題になったものです。私もかなりな数を購入しました。

その中で今も手元に残ったのがこの1点。理由は着ていなかったから。

なぜ着ていなかったかというと、着心地が悪かったからです。オーバーサイズにもかかわらず、製図が一般的なテーラードカラーと違っていて、後ろ首まわりの寸法が不足しているのですね。そのため首が圧迫されたかたちになって肩が凝るのです。

ここは思い切ってその衿部分を折り返し線に沿ってカットしました。あとは裏地が表から見えないよう2㎜ほど控えてとじ合わました。

後ろ身ごろは裏地がなかったので、切り取った衿布から見返しをとって後ろ衿ぐりは始末しました。ここも手まつりです。黒い生地は色の再現が難しいですね、ずいぶん青み寄りになってしまいました。

ノーカラーにすると長い袖丈も重苦しく感じられたので5㎝ほど短くし、最後にネックラインと袖口にステッチをかけました。

これでポケット周辺のステッチともバランスがとれたと思います。完成です!

先日の評議会でも着用しましたが、もう肩凝りはしませんでした。綿100%の緻密なファインクロスなので暑い季節には重宝しそうです。

お直しして着用しても服の寿命はあと数年かもしれませんが、それでも着ないまま処分するよりはよほど良いでしょう。

ですが世の中には自分でお直しするという発想がない方は多いですし、その基本的な教育を男女共修以降の家庭科では受けていません。キットになったエプロンを組み立てて終わるのが精一杯といったところでしょうか。

確かに今は作るより買った方が安い時代ですが、それでもちょっとボタンがとれた、パジャマのゴムが緩くなった、ズボンの丈が気に入らないくらいで服を手放してしまうのはもったいないことです。

YouTubeなどで検索すればたいていのことは手順がでてきます。こういった手仕事が身近なことになれば本当にいいのにとよく思います。

お直しにしてもリメイクにしても結構クリエイティブな作業で、自分なりの“新たな価値の創造”とでもいいましょうか、楽しいですよ~。