第2章の終幕「+J」はやはり知的でクールだった

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こんにちは。大人のおしゃれ塾、田中です。

ユニクロとジル・サンダーのコラボ「+J」、第2章の終幕ということで2021年11月12日に(金)に販売が開始されました。

新聞の折り込みチラシでも告知されていて、今回はどんな仕上がりなのか楽しみにしていました。

これまで「+J」については何回かこのブログでも書いてきましたが、今回もやはり何かしら使命感にも似た気持ちが込み上げてきて(笑)書かずにはいられませんでした。

やはり2009年の初代「+J」の発売はセンセーショナルで私の熱狂ぶりも半端なかったですから。

昨年の11月12日と13日のブログには「前回のコラボでほぼ半数以上の型番を購入した」と豪語しています(汗)

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当時、全身「+J」で「+J」コーナーを見ている時、ユニクロの店員さんに「本部の方ですか?」と聞かれたくらいです(笑)

そのくらい「+J」の知的でクールな印象、構築的なフォルムに魅了されていました。

その頃はまだ、今のようなオーバーサイズの流行はなく、ウエストをシェイプした細身なシルエットが主流でした。

なので「+J」のメンズライクなシルエットはとても新鮮でしたし、コートやジャケットの展開も多く、広島文化短大でファッションを教えていた私にはぴったりな商品構成でした。

しかも私は運転をしません。バス&電車利用です。(←ここ重要)。普通、車で通勤される方はロングコートは着用されないのではないでしょうか。

コロナ禍で在宅を強いられる時代でもなかったですし、「+J」はジャケットに細身のパンツ、コートで颯爽と歩くスタイリッシュさを持ち合わせていたと思います。

そのスタイリッシュさ、クールさは、復活した「+J」でも変わっていません。

昨年、2021年11月発売のこの企画、コロナ以前、素材調達やら何やらを含め、少なくとも1年半~2年以上はリードタイムがあったと思います。

その時はまさか、世の中がコロナで大激変するとは誰も予測できなかったのではないでしょうか。

結果、不要不急の外出がままならない世の中、2021年はWOMENでもスーツやコート、ドレスシャツの多くが残念ながら売れ残っていました。

あれから1年、今回のWOMENに関しては、昨年の状況をふまえてか、メンズライクなジャケットの展開はなく、コートもカシミヤ混のエレガントなタイプが店頭に並びました。

カシミヤブレンドラップロングコート¥29,900

ウエストベルトを前身頃のスリットに通して着用するようになっています。艶感のある素材で肩回りがコンパクトに仕上がっていて、吸い付くような着用感です。

袖裏が共布で仕立ててあるせいかもしれません。重量感があります。肩から袖のラインが非常に美しく印象的でした。

同じくカシミヤ混のコート、カシミヤブレンドノーカラーコート¥24,900は、袖裏がポリエステルとなっていて滑りが良いです。

2009年、2010年との違いはダウンジャケットの展開が多くなっている点ではないでしょうか。12月上旬に追加発売されるアイテムもそうですが、大きな衿やフードが印象的なデザインとなっています。

ダウンジャケット¥12,900

こちらのダウンジャケットは尖ったピークドラペルにハードなジッパーがデザインのポイントになっています。素材は上品な光沢のあるポリエステルですが、耐水性も備えています。

ジル・サンダーの場合、肩回りがコンパクトなのが特徴で、そこがジル・サンダーらしさ「+J」らしさだと私は思うのですが、商品のレビューを見ても、肩や袖が窮屈といった内容のものが目につきます。オーバーサイズ慣れした身体には起こるべくして起こる着用感かもしれません。

それにしてもこのアイテム、着用してみると想像以上にウエストがシェイプされ、裾広がりのXラインになることに驚きました。昨年もハイブリッドダウンシリーズにこの手法は見られましたが、このようなXラインのシルエットにはならなかっと思います。

いずれにしても、前述のラップコートもウエストをマークできますし、フェミニンな印象をつくれるということですかね。

肩回りをコンパクトに仕上げる裁断は次の写真のドライスウェットフルジップパーカにも見られます。

ドライスウェットフルジップパーカ¥4,990

後ろ身頃を見てみると、身頃から袖へとつなげた裁断がされていることがわかります。

後ろ身頃の脇線も(写真には写っていませんが)前身頃のポケット位置まで寄せることで、後ろ身頃の面積をより広く、ドレープが出やすいようにしてあります。

おかげで、裾を絞るとふっくらと丸みのある立体的なシルエットが形作られるようになっています。

スーピマコットンタックシャツ¥4,990

本家ジル・サンダーの服は買ったことはないですが、シャツの美しさについてはよく耳にしていました。

このピンタックが胸にたくさんあるシャツも「美しい」の一言に尽きます。

特にこの紫のような中間色は色出しが非常に難しいと思うのですが、目にした時、思わずハンガーラックに手が伸びる程、素晴らしい色調でした。

使用されている生地も細番手のスーピマコットンで、何とも言えない上品な光沢を生み出しています。しかも適度なハリがあって仕上がりの存在感が半端ないです。

着丈が短めに作られているので、羽織としても使えるのではないでしょうか。ボタンも天然の貝ボタンが使用されていました。

今回私がお店(紙屋町サンモール店)に足を運んだのは、発売から6日目でしたが、完売しているのは白のダウンボリュームジャケットくらいで、サイズ欠け、色欠けはあったもののほとんどの商品は残っていました。

色欠けが顕著だったのはプレミアムラムケーブルハイネックセーターです。茶を残してネイビーは完売、黒がMサイズを除いて4点(S、L、XL)しか残っていませんでした。

プレミアムラムケーブルハイネックセーター¥4,990

12月1日現在で購入者の商品レビュー数が484という驚異的なこのセーター。

まずデザインが凝っています。

前身頃や袖がふくらみのあるプレーンな編地になっているのに対し、後ろ身頃がケーブル編み、襟や袖口はリブ編みになっているので、このセーターには3種類の編み方が盛り込まれていることになります。

さらに襟や袖にスリットが入っていて、そこから下のシャツを見せる着こなしもできます。

しかもプレミアムラムウール100%で¥4,990という価格ですから人気が出ないわけがありません。

ただ試着して思ったのですが、このセーターは暖かいですが着こなしは少々難しいです。重く感じる人もあるかもしれません。

「+J」特有のシルエットとして、肩回りがコンパクトで身頃がテント状に広がる、もしくは腹部がぽってりとしたタイプの2つがあると私は思っているのですが、このセーターは腹部ぽってり型に当てはまります。(今シーズンはウエストシェイプ型が加わりましたが)

首や袖口がリブ編みで詰まっていて、袖付けはラグランスリーブ、サイドスリットは入らず、身生地は肉厚、これらの要素はいわゆる「女らしい」身体の特徴を表に出さないというか出させないデザインとなっています。

オーバーサイズのニットを着慣れた女性でも、このニットはなかなか手強いのではないでしょうか。むしろこのセーター、男性に向いているかもしれません。

おわりに

第2章の終幕ということで、これが最後なのかと店頭に足を運びましたが、ひょっとしたら第3章があるのかもしれません。そこはよく分かりませんが(笑)

ただジル・サンダーは「+J」についてのインタビューで次のように述べています。

私にとって、+Jは未来に向けた実験的な取り組みです。自分にとってのリアルを具現化しようと試みています。

すべてのアイテムが「同じ言語を使って発信し、語りかける」ようであってほしいと思っています。

「+J」らしさというのはやはりアイコンとして普遍的なものです。

「+J」はいつも洗練されていて知的でクールでした。

際立つシェイプ、彫刻的なシルエット、決して「ちゃらけた」印象にはなりません。着る人の品格を引き出し、力強い意志を具現化してくれる服です。

世界はいまだにコロナの渦中にあり混迷を深めていますが、だからといって「+J」がソフトでナチュラル、誰もがくつろげるような方向にシフトすることはできません。

そんな方向性をユニクロ(ファーストリテイリング社)が求めるなら他のデザイナーと組めばよいことです。

「+J」は「+J」らしく、今までもそうであったように今回も変わらぬ「らしさ」を追求したのではないでしょうか。

その結果がどうであったとしても。

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